業務委託がワークしなかった話が増えている件について
フリーランスのエンジニア、PM、コンサルタント。ここ数年で、ずいぶん増えた。私たちも、そうやって外から入っていく立場だ。ただ、現場に入ると、静かな問題を何度も見てきた。今回は少し泥臭い、業務委託の“心得”の話をしたい。
フリーランスは、長期で大きく増えた
まず数字から。ランサーズの「フリーランス実態調査2024」によれば、日本のフリーランス人口は約1,303万人、経済規模は20兆円を超える。この10年で、人口はおよそ4割、経済規模も4割近く伸びた。働き方として、完全に定着したと言っていい。
私たちに近いIT領域に絞ると、増え方はもっとはっきりしている。ある業界の市場白書では、ITフリーランスの人口は2024年に35万人を突破し、2028年には45万人規模へ向かうと見込まれている。彼らを企業につなぐエージェント市場も、数千億円規模に育った。エンジニアやPMが「会社を出て、業務委託で働く」のは、もう珍しい選択ではない。
増えた分だけ、「ワークしなかった」話も増えた
母数が増えれば、うまくいかない例も増える。「やる気が見えない」「期待したほど動いてくれない」——発注した側から、そういう声を聞くことは少なくない。実際、誰かが抜けた現場を、私たちが引き継いで入るケースはけっこうある。
これは、個人の資質だけの問題ではないと思っている。業務委託という契約には、構造的な特徴がある。発注側は、委託先に対して指揮命令ができない。「もっと手を動かしてほしい」と思っても、社員のようには言えない。成果物さえ出ていれば、契約上は問題にならない。
すると、こういう発想が生まれる余地ができる。「最低限の成果で、ほどほどに流す。空いた時間で別の案件も持てば、サボりながら高い報酬が取れて、いちばんコスパがいい」。ロジックとしては、たしかに成り立ってしまう。
でも、本当にコスパがいいのは「働くこと」だ
私は、逆だと考えている。業務委託で本当にコスパがいいのは、むしろ、きっちり働くことだ。
理由はシンプルで、働いた分だけ実績が積み上がるからだ。人の2倍手を動かせば、1年で経験できることも、次に語れる実績も、2倍になる。目の前の報酬は同じでも、1年後に自分が持っているカードの枚数がまるで違う。そのカードが、次の単価を、次の役割を引き上げていく。
サボって浮かせた時間は、何も残さない。全力で関わった現場は、スキルも、信頼も、次につながる紹介も残す。短期で見れば前者が得に見える。でも、数年のスパンで損益を取ると、答えははっきり逆になる。
私は、そうやってできることを増やしてきた
私自身、システムエンジニアから始めて、PM、そしてコンサルティングへと、関われる領域を一段ずつ広げてきた。特別な才能があったからではない。入った現場で、求められた以上に手を動かしてきただけだ。その積み重ねが、次の仕事の幅を決めてきた。
だから「160時間、きっちり働く」というのは、精神論ではなく、合理的な投資判断だと思っている。フルコミットは、相手のためである以上に、いちばん自分のためになる。
株式会社ゴセンフ
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